建築基準法【小屋裏物置等】は平成12年に大幅緩和！

小屋裏物置等は昭55住発24号で以下の3つの条件を満たせば
階とはみなされていなかった。
①直下の階の床面積の1/8以下
②天井の内法高さは1.4ｍ以下
③物の出し入れに利用するはしごなどは固定式にしない

しかし、平成12年法改正では以下のように緩和された。
「小屋裏、天井裏その他これらに類する部分に物置等がある場合、
その物置等の最高の内法高さが1.4ｍ以下で、且つその水平投影面積が
物置等がある部分の床面積の1/2未満であれば
物置等の部分は階として取り扱う必要はない。
ただし、物置等の部分の積載の実況を反映させた構造計算は必要である。」
（平12住指発682号）

現在では物置等を使用する階の床面積の1/2未満かつ最高天井高1.4ｍ以下の
小屋裏物置は階数および床面積が不算入になることが多い。

平成12年の通達以前は住宅の小屋裏に限定されていたが、
この通達以後はロフトと称する部分、床から水平使用する部分など
小屋裏以外の部分にも適用し、固定階段の設置も認めるようになっている。

また、大きな開口部をもつ小屋裏物置が計画されて、
階とほとんど差のないものまで出てきたので、東京都世田谷区では
余剰空間利用で真に収納を目的とした物置のみを
小屋裏物置等として扱う旨を公表しています。
特定行政庁により扱いが異なるので要注意です。

東京都世田谷区での場合
小屋裏、天井裏、床下などの余剰空間を利用して設ける小屋裏物置等は
下記のa~bの「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」を基準とし、
且つ①～⑧に該当する場合のみ階とみなさず、床面積に算入しない。



●「建築確認のための基準総則・集団規定の適用事例」を基準とした規定
(a)・1の階にある小屋裏物置等の部分の水平投影面積の合計が、
当該小屋裏物置等がある階の床面積の1/2未満であること。
（固定階段の場合はその部分の面積を含む）
　・階の中間に設ける小屋裏物置等の部分の水平投影面積の合計が
　　その接する上下それぞれの階の床面積の1/2未満であること。
（b）小屋裏物置等の最高の内法高さは1.4ｍ以下。
なお上下に連続する小屋裏物置等にあっては、内法高さの合計は1.4ｍ以下
 (c)　階の中間に設ける床（ロフト状に設けるもの）の場合、
その部分の直下の天井高さは2.1ｍ以上。

　●東京都世田谷区により追加された規定
①原則、小屋裏物置等の外壁の開口部の設置は認めない。
　換気を行う目的で開口部を設ける場合、開口部の大きさの合計は
小屋裏物置等の部分の水平投影面積の1/20かつ0.45㎡以下であること。
②小屋裏物置等の内部に、収納の造作は不可
④小屋裏物置等の内部に電話、テレビやインターネットなどのジャックの設置は不可
⑤小屋裏物置等の床の仕上げは、畳、絨毯、タイルカーペットなどは不可
⑥小屋裏物置等にエアコンなどの空調設備は設置不可
⑦上記以外にも居室などに使用される可能性がある仕様にはしない。
⑧共同住宅・長屋などは住戸ごとに上記各号の規定を満たすこと。
⑨確認申請などの図面には「物置であり居室には使用しない」と記載
注　上記取扱いは、主たる空間ではない余剰空間を利用した形態のみを対象とし、
　　収納目的で設ける物置に限られる。