・「主要構造部」とは防火・避難上の安全性の確保を主目的とした建築物の部分であり、「構造耐力上主要な部分」とは地震や風などの外力や自重に対する、構造耐力上の安全性の確保を目的とした建築物の部分を言います。
以下「主要構造部」と「構造耐力上主要な部分」を比較しながら各建物の部位がそれぞれに含まれるのか含まれないのかを記したいと思います。
まず、「主要構造部」に関して
・外壁は防火・避難上、外壁はすべて主要構造部に含まれます。
・間仕切りも防火区画の壁や防火上主要な間仕切り壁などは含まれますが、防火・避難上重要でないものは含まれません。
・柱は通し柱と管柱は防火・避難上重要と判断されるので主要構造部に含まれます。
・間柱、付け柱、筋交いは防火・避難上重要ではないので含まれません。
・梁は大梁は含まれるが、小梁は含まれません。
・階段は屋内階段、屋外階段ともに主要構造部に含まれます。ただし、局部的な小階段は含まれません。
・床は一般的には含まれます。ただし、最上階床や上げ床、回り舞台床は防火・避難上影響が少ないので含まれません。
・屋根は小屋組(母屋、垂木、棟木、小屋束等)、屋根版などは防火上重要であるので、すべて主要構造部に含まれます。ただし、庇は除かれます。
・基礎、基礎杭は防火上影響がすくないため含まれません。
次に「構造耐力上主要な部分」に関して
・外壁はRC壁など構造耐力上重要なものは「構造耐力上主要な部分」に含まれますが、カーテンウオールなど構造耐力上重要でないものは含まれません。
・間仕切り壁は耐力壁など構造耐力上重要なものは含まれますが、構造耐力上重要でないものは含まれません。
・柱は構造耐力上負担するものであるので「構造耐力上主要な部分」に含まれます。
・梁などの横架材、筋交い、火打ち材なども含まれます。
・階段はすべて含まれません。
・床は床版の他、土台や火打ち材も「構造耐力上主要な部分」に含まれます。
・屋根は小屋組(母屋、垂木、小屋束等)、屋根版は「構造耐力上主要な部分」に含まれます。
・基礎、基礎杭は構造耐力を負担するものであるので含まれます。
以上「主要構造部」と「構造耐力上主要な部分」の違いを比較してみました。