この「類似の用途間の用途変更」には確認申請を要しない場合以外にも「既存遡及不要」および「用途地域不適格」のままでも良い場合に対し、規定緩和(法87条3項)があります。既存遡及(きぞんそきゅう)とは現行規定に適合のこと。
・「既存遡及不要」とは既存不適格建築物の用途を変更する場合、原則として法87条3項本文に掲げる条項は既存遡及しなければならないが、同項2号に該当する場合は既存遡及が不要という緩和規定が定められています。
・また、法48条の用途地域に適合しなくなった既存不適格建築物の用途変更の場合、既存遡及不要の場合とは別に法87条3項3号に該当する場合、既存遡及は不要になります。用途変更後の用途が用途地域に適合しなくても良いといことです。
例えば、地下1階から2階までが倉庫・事務所で3階が住居だった築40年RC造のビルをリノベーションして、2階と3階を住居に変更した。
その場合、2階は倉庫・事務所から住居への用途変更になるが、大規模な修繕にあたらないので確認申請は不要となったそうです。
既存間仕切りはすべて取り払い、3階はリビングスペース、2階をプライベートスペースとした。3階中央のRCスラブに孔をあけ、そこに階段を設けメゾネットタイプとした。用途変更による確認申請は不要であった。構造補強は構造設計者と確認ずみとのこと。