まず、プレカットと手刻みのメリット・デメリットを言う前に大工手間代の比較をしたいと思います。
コストの内訳として基本単価はプレカットの場合9,000円/坪で手刻みの場合は12,000円~14,000円/坪ぐらいになります。
別途費用という項目がありますが、手刻みの場合は基本単価に含まれています。
プレカットの場合の別途費用とは登り梁、根太彫り、垂木彫りがあります。
登り梁は1本当たり5,000円~8,000円します。標準のプレカットでは対応できないため大工が手刻みで刻むことになるためです。
根太彫りと垂木彫りは関東では基本単価に含みます。(関西では別途費用として請求されるようです。)
加工場の使用料とは大工が刻みをする場所代のことです。普通は材木費の3%程度の費用がかかりますが、プレカットの場合は材木を買うことで使用料が無料になることが多いです。
運搬費は手刻みの場合は1棟当たり3万円~5万円しますが、プレカットの場合は基本単価に含まれています。
ではここから、メリット・デメリットの比較に入ります。
近年プレカットの導入率が上がっているのでプレカットから説明します。
メリットは①加工日数が短くできる。②事前打ち合わせが伏図でわかりやすく行える。③加工費が安く出来る。④材料搬入が容易にできる。
対して、デメリットは①搬入の時にしか材料の良し悪しがわからない。②工場が混んでいる場合は上棟が遅れる。③日程の変更が難しい。
次に手刻みの場合の比較です。メリットは
①建方日から逆算して加工に入るので、上棟の遅れがありません。
②棟梁の頭の中にあらかじめ仕口や組み上がりが入っているので安心である。また、細かい変更も可能です。
③構造材の良し悪しを吟味することが出来ます。
デメリットは
①加工に日数がかかります。②加工に手間がかかる。③材料の積み下ろしに労力が必要である。
④加工部位が多く建物が大きいと加工日数と手間がかかる。⑤加工場や材料置場が必要である。
以上が大工手間のプレカットと手刻みのメリット・デメリットでした。