①について解りやすく説明します。相続税の納付は自分が相続人になったことを知った日の翌日から10ヶ月以内に現金で行わなければなりません。しかし、一括での支払いが難しい場合は、一定の要件を満たせば延納を選択し相続税を分割して納付することができます。
一定の要件とは次の4つです。
・相続税額が10万円を超えている場合
・金銭で一括納付が困難な事由がある場合
・必要な担保の提供がある場合(延納税額が50万円未満で、かつ延納期間が3年以下である場合を除きます)
・納期限までに申請を行う場合
この制度は相続財産に占める不動産の割合が大きい場合や、土地や建物を手放したくない場合によく利用されます。
延納期間は原則として5年以内です。しかし、相続財産のうち不動産の価格の占める割合が50%以上の場合は最長で20年までの延長が可能です。但し、延納期間中は最大6%の利子税が課税されます。
しかし、一方延納でも納付が難しい場合は、現金の代わりに現物での納付も認められています。このことを物納といいます。
なお延納の許可を受けた後、支払いが困難になった場合は申告期限から10年以内の場合、延納の分納期限が未到来の税額部分のみについて、延納から物納への変更が認められることがあります。この物納を特定物納と言います。
物納は平成18年度税制改正により物納の許可基準が明確化され、必要な申請書類や手続きが増え物納が可能な財産にも制限が加わりました。
・どのような制限かと言いますと、管理処分不適格財産の明確化、物納手続きの整備、物納申請の許可にかかる審査期間(3ヶ月以内に許可か却下を決める)の法定化などです。
この制度が出来てから近年申請件数が激減しているようです。
物納が難しい例として、立地や形状が悪く市場価格が相続税評価額を下回るような土地や借地権付き宅地など、利用に制限があり収益性が低い土地などは現在難しいそうです。
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